2024/10/10

令和6年度日本水環境学会中国・四国支部見学会のご報告

 ■開催情報
 主催 :公益社団法人 日本水環境学会 中国・四国支部
 協力 :株式会社富士クリーン
 日時 :2024年9月25日(水) 13:30〜16:00
 見学先:株式会社 富士クリーン メタン発酵プラント
                    浸出水処理施設 等
 参加者:30名

■見学会概要
○事業紹介
 環境方針である「循環型社会の構築」「地域との融合」「効率的なエネルギー使用と新エネルギーの創造」の元、廃棄物受入処理、再資源化、発電・発熱事業を行っておられます。また、そこで得られたノウハウを活用し、バイオガス発電事業の提案、再生エネルギーを利用した地域振興などの事業を開始しており、近年の地球温暖化や人口減少、SDGs等を念頭において、さまざまな分野の事業展開に積極的な印象を受けました。

写真1 株式会社 富士クリーンご担当者様の説明


○受け入れ施設
 一般廃棄物と産業廃棄物で大別されており、巨大なクレーンが大量の廃棄物を破砕機等に移動させておりました。一方で、外部への臭いはあまりせず、場内も綺麗に清掃されて使用されているのが印象的でした。


○メタン発酵槽
 乾式の発酵槽としては国内初の施設であり、NEDOの実証事業で建設されました。これまでの一般的な方式である湿式と異なり、紙類等も受け入れ可能であることが大きな特徴であり、製紙会社で再生できない紙類(難処理古紙)に対する有効利用方法を拡大できる優れた技術であると思いました。また、ほとんど加温を必要としないことや、廃水処理が不要である等のメリットも多数あります。

写真2 メタン発酵槽


○ガスホルダー
 従来の金属製タンクとは異なり、ガス圧で膨らむ膜方式のタンクを採用することで、LCCがより安価で安全なガス貯留が可能とのことでした。

写真3 ガスホルダー


○浸出水処理施設
 蒸留→生物→ろ過→酸化処理を行っており、最終処理水は放流することなく場内のボイラ水、冷却水等に使用されていることに驚きました。会社の環境方針を踏まえ、法令遵守以上の姿勢で水質浄化に臨まれている姿勢が印象的でした。

写真4 浸出水処理施設


○ライチ栽培ハウス
 場内で得られた再生エネルギー、再資源の有効活用方法の一例として、場内にハウスを設置し、ライチを栽培されていました。そのままでも高価な産物として販売できるだけでなく、そこから得られる機能性成分を抽出し、化粧品成分等のより高付加価値な製品開発をされていました。これも会社の環境方針に従い、地域振興のために、県内企業との積極的な協力関係を構築することで、新たな循環型ビジネスモデル形成されておりました。

写真5 ライチ栽培ハウス


 新しい処理技術である「乾式メタン発酵プラント」を実際に見学できただけでなく、これを基軸として、単なる廃棄物処理事業にとどまらず、新たなビジネスモデル形成へと積極的にチャレンジされている株式会社富士クリーン様の姿勢を強く体験できた貴重な機会となりました。
 今回見学を快く受け入れて頂きました株式会社富士クリーンの町川様をはじめとした皆様、また、本見学会を企画するにあたりご協力いただいた関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。

(幹事長  一番ヶ瀬)

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令和6年度日本水環境学会中国・四国支部見学会のご報告

 ■開催情報  主催 :公益社団法人 日本水環境学会 中国・四国支部  協力 :株式会社富士クリーン  日時 :2024年9月25日(水) 13:30〜16:00  見学先:株式会社 富士クリーン メタン発酵プラント                     浸出水処理施設 等  ...